ギターをかき鳴らすようにことばを綴りたい。
大声で吠えるようにことばを尖らせたい。
壁をぶち破るように拳をにぎるようなことばを。
今にも踊り出しそうなことばを。


はたまた

散る桜の花びらをそっとすくうようなことばを。
綿毛のようにゆらゆら飛んで行くようなことばを。
つららから落ちるしずくのようなことばを。


それとも

ブレーキのきかない自転車を乗るようなスリルのあることばを。
真っ暗闇なのになにか目に見える、そんなことばを。
実験室のフラスコを割ってしまうようなことばを。



嗚呼、たまらない。

目に見えない、ことばたち。