やめられない、とは。
わたしが21年間(もうすこしで22年間)
生きてきて、やめられないものはなんだろう。
息。
とか、そういうからだのことではなくて、
どうしてもやってしまう、そんなたぐい。
わたしのばあい、
「なにかをさがしてしまう」
「いま目に入る世界をもっと見たくなる」
初めて行く場所でも、
何度も通い詰めている場所でも。
ああ、ここにきっと、なにかいる。
それはちいさな虫なのか、いきものなのかわからない。
「遥か大昔の景色を思い浮かべてしまう」
バスに乗ったときに、よくしてしまう。
田んぼを見て、ずっと前からここは田んぼだったのかな、
お墓を見て、このお墓は平安時代にもあったのかな、
大きなビルや交差点を見て、ここがどんな街だったのか、
どんな人が行き来していたのか、ああ、アスファルトで固められる前の地面が見たい。
とか。
そんなときに川が流れていたら、
気持ちがおちつく。
川は、大昔から流れ続けているから。
流れることをやめないから。(ひとが堰き止めたりしないかぎり)
「ここであそぶことをかんがえてしまう」
ああ、あの木、のぼりたいな。
あの川原で尺八が吹きたいな、
このマチのど真ん中で糸電話をしたらどうなるかな。
とか。
たばこがやめられないってきくけど、
わたしはそれらがやめられない。
なはは。
きょうも、いい天気だし。
もう、春だし。