おたからはすぐそこに
わたしにとってのごみが
あなたのたからものなのかもしれない
あなたにとってのごみが
わたしのたからものなのかもしれない
小学校の頃、
毎朝クリーンタイムがあった。
桜の季節は竹ぼうきで
ザッザと桜の花びらを掃き集める。
いつもは塵や埃、ごみを集めるほうきで
桜の花びらを掃く。
なんだかとっても不思議な感覚で、
桜の花びらを集めるほうきは、
春があふれる魔法のほうきのようで。
あつめた花びらを
手ぇいっぱいにすくい、
空におもいっきり
ほうりなげる。
ひらひら舞い落ちる花びらが
うれしくてうれしくて
何度も舞い上げる。
春になれば、いつも思い出す。
ごみとされるものがわたしのたからものになる瞬間。