わたしはサラバを手にした

図書館にきた。

 

 

だいすきな作家。

西加奈子の本が並ぶ棚の前で止まる。

 

 

まさか。

 

「サラバ」が上下そろって、

きれいにスタンドアップしている。

 

 

 

図書館では予約しないと借りることができなかった「サラバ」

 

 

どうしても、

読みたくなって、

買った、「サラバ」

 

 

サラバは、ながいながいドラマを見ているようだった。

 

ながいながい、人生、

 

これだよな、人生って。

 

そんなふうに思いながら読み進めた。

 

 

お風呂の中で、

ゼミ室で、

葉っぱが数少なくなった桜の木の下のベンチで、

 

とにかく、読もう、読もうって

 

目が、手が、体が、

読みたくてうずうずしていた。

 

 

 

「サラバ」下の6章。

 

最終章。

 

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

 

 

ほんとうに、ほんとうに、

ぞくぞくする。

 

 

心臓がどくどくしているのがわかる。

 

 

こんなにも、

 

ことばが、

 

 

だれかの人生になって、

 

 

わたしの人生にぐさりと突き刺さるものなのだって

 

 

感じさせてもらった。

 

 

 

 

きょう、手にした本は図書館の本だ。

 

本のしおりはもやもやとほつれかけている。

重たい表紙はやわらかくなって手になじむ。

 

何十人もの

何百人ものひとが

この本を手に取り、

鼓動を高ぶらせたのだと思うと、

 

さらに、わたしは感激する。

 

 

 

サラバのリレーは続いている。

 

 

 

この本を読んで、

西加奈子さんの本を読んで、

いつだって、

本に並んでいる文字たちが、

踊っているように、

いきいきしているように見えるんだ、。

 

 

 

わたしも、

こんな本を書きたい、

 

そんなふうに思っているのだ。

 

 

 

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