わたしたち
わたしたち
どうやったら
土に還れるのかなあ
。
道を歩いていて、
もう動かなくなったセミ。
一生をまっとうしたんだね、
と、手をあわせる。
アスファルトで固められた
あつあつの地面の上に
その姿があるとき、
そのままに しておけなくて、
いつも 土の上をみつけては
そこへ、お連れする。
べつに わたしがそうしなくても
風が、雨が、鳥が、
どこかへ 運んでくれるんだろうけど。
なんだか、
そのままにしておけないわたし。
。
いままで
死んだら焼かれて
壺に入る。そしてお墓に入る。
という 流れを みてきた。
それが いやなのってはなしではなくて、
ただ、ありのままに
死んで、土に還るセミが
うらやましいなって思ったの
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