わたしたち

 

わたしたち

どうやったら

土に還れるのかなあ

 

 

 

 

 

道を歩いていて、

もう動かなくなったセミ

 

一生をまっとうしたんだね、

 

と、手をあわせる。

 

 

アスファルトで固められた

あつあつの地面の上に

その姿があるとき、

 

そのままに しておけなくて、

 

いつも 土の上をみつけては

 

そこへ、お連れする。

 

 

べつに わたしがそうしなくても

 

風が、雨が、鳥が、

どこかへ 運んでくれるんだろうけど。

 

 

 

なんだか、

そのままにしておけないわたし。

 

 

いままで

 

死んだら焼かれて

 

壺に入る。そしてお墓に入る。

 

という 流れを みてきた。

 

それが いやなのってはなしではなくて、

 

 

 

ただ、ありのままに

死んで、土に還るセミ

うらやましいなって思ったの

 

339

 

f:id:harukerorin:20180824102425j:image