なめとった…

先日、布団屋さんに行って

羽毛布団を買ったときに

店のお兄さんがたくさんの敷布団、枕について教えてくれた。

 

実際に横にならせてくれたりして

体感させてもらったし

お兄さんの経験談もおもしろくって

惹き込まれた。

 

そのお話や実際に体感したので

パートナーは敷布団と枕を新調していた。

すると腰痛で悩んでたのに

翌朝から体が楽だと言う。

 

 

すごく喜んでいるし

彼がいないときに横取りして眠らせてもらうと

すっごく身体が休まる。

 

敷布団や枕って

家(実家)に昔からあるものを使っていて

わざわざ買うことはなかった。

 

あるのに買うなんて贅沢かも、とも思っていた。

 

でもこんなにも、身体がらくで

暮らしが豊かになるものなんて思いもしなかった。

 

 

そんなふうに敷布団などの寝具で

人々をケアしている作り手の方達、研究されている方達に、尊敬のきもちでいっぱいになった。

 

 

✳︎

 

今日もたまたま

パートナーと休日が一緒になったので

室戸にある廃校水族館に行こうという予定にしていた。

 

目覚めると、

彼の携帯に電話がかかってきて

知り合いの猟師さんのわなに鹿と猪がかかったって。どっちかいらんでー?と。

 

彼は今日は予定があるからって、

もらうのを断ろうかとしていたけど、

なんとなく直感で、

もらいに行ってみる?と私が言うと

そういう運びになった。

 

 

 

軽トラで待ち合わせの場所に行くと

ぐったりした雄鹿が乗った軽トラがやってきた。

 

 

40キロはあったと思う。

 

 

ものすごく重たい。

目は開いたまま。

角は1〜2つに分かれている。

 

 

庭で解体が始まった。

 

まずは内臓を取り出す。

 

まだまだあたたかいカラダのなかみ。

 

足を開いて持ったり、

彼の手伝いをする。

 

すごい数のマダニがついているし、

しとめるときの突き刺した跡は血が出ていて

(解体しながら血が出たりもするけど)

いろいろとへっぴり腰になる私。

 

 

こわいよ〜と私。

 

 

内臓が取りきれなくて困ってる彼。

 

 

 

こんなふうにお肉は

食べられるようにしてくれているのだ。

 

 

私は、なめとったなと

自分が恥ずかしくなった。

 

 

 

生命は大切だ。とか

自然を守りたい、とか。

 

 

そういうきもちを持って生きているし

口にすることはあるけど

 

言葉だけの薄っぺらいものだったと思う。

 

内臓をとってから、

水につけてカラダを冷やす。

そのあと毛皮を剥いで、肉と骨を分けていく。

 

言葉にするとたったそれだけだけど

 

5時間くらいかかって

それらをやり終えた。

 

 

 

小さいのから大きいのまで

こんなにもたくさんのダニを見たのは初めてだった。

 

足や手を登ってくると

ソワソワする。噛まないでー。って取る。

 

 

鹿のカラダについても

間近で、じっくり見れたのは久しぶり。

 

大きな目。

顔は勇ましい。

かっこいいよなあ。

 

 

さっきまで山を歩いていたのに

捕まっちゃったんだね。痛かったよなあ。

 

 

どきどきしながら。

そんなふうに思った。

 

 

ハンバーグが食べたいとか

唐揚げが食べたいとか

言うのは簡単やけど

 

 

そのお肉の生命について

捌いてくれているひとたちについて

 

あまりにも想像ができてなかったように思う。

 

 

✳︎

 

 

パートナーは

汗をぽたぽたかきながら

静かにずっとナイフで捌いてくれていた。

 

失敗した、とか

いろいろ試行錯誤しながら。

 

彼は本当になんでもできる人である。

 

 

あらゆることを知っているし

実際に作ることができる。

 

 

私はなにもしらない割に

学校へ行くと子どもたちに偉そうに(出来るだけ偉そうにするつもりはないけど)しゃべる仕事をしている。

 

もうちょっとなかみのある人間になりたいなあ。

 

 

わたしの持ち味が生かせる生き方がしたいなあ。

 

 

今は追われることがありすぎて

、その場しのぎが多い。

 

 

もっとていねいに

こころを込めて、仕事したい。

 

 

と思いつつ

働いて給料は、まあまあいいからって

ちょっと調子に乗っていたのかも。

 

 

もちろんお金は必要。

 

でも彼のように

自分の得意なこと、できることを

正直なままやるって尊いなあって。

 

 

 

やりたいこと

あれもこれも出てくるけど

まずは1つずつかな。

 

 

わたしは

まだなにも知らない。

なめとる。

 

 

もっと謙虚にいこう。

 

彼の在り方に学びます。f:id:harukerorin:20211011180449j:image